価値共創の営業 vol.3: Key Account Management (キーアカウントマネジメント)|t.s.p. Takehiro Sato@RightTouch Inc. 您所在的位置:网站首页 key-account 価値共創の営業 vol.3: Key Account Management (キーアカウントマネジメント)|t.s.p. Takehiro Sato@RightTouch Inc.

価値共創の営業 vol.3: Key Account Management (キーアカウントマネジメント)|t.s.p. Takehiro Sato@RightTouch Inc.

2024-06-02 20:14| 来源: 网络整理| 查看: 265

価値共創の営業 vol.0: 営業活動が届ける価値をサービスの観点から考える

価値共創の営業 vol.1:  Buyer-Sellar Relationship

価値共創の営業 vol.2: Value-based Selling

価値共創の営業 vol.3: Key Account Management

noteの説明

最初に今回のnoteの目的です。このnote(今回がシリーズ最終話です!)で達成したい目的は、B2Bセールスに携わる皆さんが自分たちがお客様に届けられる価値って何だろうかと考えるきっかけとなり、それらを実現するための一つの参考図書的存在になることです。ここで説明される内容はスキルではなくマインドであり行動様式ですので、例えば業種やプロダクトが変わっても適用できる普遍的かつ土台となるものを目指します。

Key Account Management(キーアカウントマネジメント)は古くから取り組まれている営業マネジメントの一つです。古くはナショナルアカウントと呼ばれたり、Global Key Acount (GKA)と呼ばれて現在でも外資企業での営業組織では担当者がついていることが多いかと思います。私もこれまでの外資2社でそれぞれStrategic Account Manager (SAM)Key Account Manager (KAM)を務めた経験があり、このnoteでは私の経験も交えて価値共創の営業の実現に向けた営業マネジメントを考えてみたいと思います。

結論から申しますと、THE MODEL型のB2B営業組織においてもKAM roleを配置し、重要顧客との関係性深化や営業人材の高度化を目指すことをお勧めしたいです。LinkedInの求人情報でもKey Account Managementの募集案件は幅広いB2Bの職種で見られることから、営業マネジメント手法として一般的に取り入れられていることが理解できますし、そのような人材のJob Description (JD)からも価値共創の営業を体現しやすい営業マネジメントであることがわかります。

以前にAccount ManagerもしくはKey Account Managementを題材にしてnoteを書いていますのでこちらも参考にしていただけますと幸いです。今回のnoteは過去のものよりは価値共創を意識してまとめます。既存顧客の営業担当に起こりがちな一度獲得した重要顧客を離脱させないための御用聞き的な立ち位置ではなく、より戦略的で価値共創的なKAMの働き方について理解を深めていただければと思います。

 

そもそもKey Account Manager (KAM)とはどのような役割か?

KAMは他の営業担当者とどのように違うか最初に説明します。少し古めの参考書ですが、Chris J. Noonanは著書の中でKey Account Managementとは顧客のビジネス理解と意思決定ネットワークへの関係構築、合意されたパフォーマンスのモニタリングに多くの時間を割くものであるとしています(Chris J. Noonan, 1998)。このKey Account Managementを担当するKAMは、購買担当者のみならずバイヤーネットワークにおける関係性と情報収集やフィードバック、製品やサービスへのサポートと関心、支持を高めるよう働きます。このような活動の中で、KAMは自社と顧客の相互理解を進め、パートナーシップを作り上げることが重要な役割となります。Key Accountの選定は様々な視点で行われますが、企業規模(自社にとってのTAM; Total Available Marketサイズ)やドメイン領域でのポジション(Key Accountからのフィードバックが業界のロードマップに紐付くなど)などが代表的です。私の実体験を例にしますと、半導体向け製造プロセス化学品営業のSAM時代は特定の1社に対して自社の他の事業部門の案件も含めてコーディネートしていました。直近の学術情報データサービス営業のKAMでは12社ほどの重要なグローバル企業(海外子会社など含む)向けのアカウントプランから実践まですべてに責任を持っていました。いずれのケースから共通しているKAMの主要な役割を以下にまとめます

顧客志向の社内外ネットワーキングとリーダーシップ窓口担当者以外の顧客ネットワーク構築と、各所からの要求の取り込みや提案すべき内容を届けるための自社内リソースのオーケストレーション

顧客価値を基点にしたABMアカウント戦略を作成し、自社が届けたいものではなく顧客価値に直結するコンテンツを顧客内のステークホルダーが理解できる様に届ける

インバウンドでもアウトバウンドでもない、価値共創に基づくSolution Developmentのパイプライン顧客理解と関係性の中から、顧客ビジネスにインパクトする、両者(両社)がリソースを投下することにコミットした案件を進捗させる

戦略的プライシングと契約テーラーメイドである価値ベースの価格設定と契約を検討することで、長期的なメリットが両社に生まれるようなAgreementを結ぶ

Valeu co-creationと顧客ロイヤルティ契約締結はスタートであり、導入後の価値創造プロセスをサポートし、ソリューション拡大と長期的な関係強化に導く

 KAMの役割と期待される効果

Key Account Managementは他の顧客に対する営業活動よりも組織の(あるいは企業の)戦略に直結していて、担当者の案件レベルでのやり取りに終始しない会社対会社の関係性を作り上げ、Trusted Partnerの存在になることが重要なミッションです。そのため、一般的にKAMの担当顧客数は多くなく、一つの顧客に対する接点を多部署に広げ、開発案件を多く創り出すためのテクニカルマーケティング要素も求められたりします。営業プロセスにおいても、KAMはnew logoの獲得とは違った顧客内での探索的なLead獲得の施策(つまりAccount-based Marketing/Management; ABM)や開発案件も含めたパイプライン管理と、契約後のコミュニケーションも含めhead-to-tailで案件に関わることになるので、分業制の営業スタイルとは違った働き方になります。私の経験上、会社対会社の関係構築のために自社Excecutive(ビジネスサイドでもR&Dサイドでも)の顧客訪問をアテンドする機会が多かったことはKAMの活動の中でも印象的です。すなわち、自社のC-levelと担当顧客のC-levelのミーティングを企画、実施することや、研究開発のVPを顧客訪問に同行させたりすることで、短期的な売上創出だけではない中長期のビジネス創出を目指して行動することです。いわゆる御用聞き営業や既存顧客のルートセールスとは違い、KAMは戦略性の高さと社内リソース活用に対するリーダーシップが一層に求められる役割です。

ここまでKAMの役割について説明してきましたが、価値共創の営業においてKAMを取り上げた事には理由があります。それは、これまでのnoteシリーズで触れてきた価値共創の実現におけるアプローチ(相互作用を起こす関係構築、価値の認識と伝達、その手段としてのVBS)を行うには、KAMとしての働き方が個人としても組織としてもとても適していると考えるからです。Key Account Managementに関する総説論文(それまでの研究をまとめあげた論文)の中でKey Account Managementはリレーションシップ・マーケティング戦略を取り込み、顧客企業と深いレベルでの関係構築を行う事、価値創造・共創のために組織が内部組織構造を調整したりインテリジェンスを効果的に活用して、顧客産業における新しいビジネスモデルやビジネス戦略へ適応するものだと説明しています(Prashant K., 2019)。これはまさしく価値共創の営業が目指すべき営業実践であり、KAMは高度な価値共創プロセスをValue-based Selling(バリュー・ベースド・セリング)を使いながら進めていくために適切な営業roleになり得ます。

 

KAMと社内外コミュニケーション

KAMは顧客への関係構築のみならず、自社内での関係構築も重要となります。これは重要顧客の要求(課題であったり、価値共創のための実施であったり)に対応するためには自社内の幅広い部門、部署の協力が必要になるためです。多くの場合でKey Accountは企業や組織の戦略レベルで注力する顧客であるため、1) 保有する契約の継続的改善に向けたサポート業務の強化、2) 応用開発などを踏まえた今手元にはないソリューションの創出による価値提案、3) 自社C-levelやVP等のビジネス意思決定に関与するメンバーの取り込みとネットワーキングを行う必要があります。

保有する契約の継続的改善に向けたサポート業務の強化:ここでは製造業の営業活動目線から説明させていただきますが、他の業界では例えばカスタマーサポート領域やカスタマーサクセス領域の一部で当てはめて考えてただければと思います。私の経験上、B2B製造業に向けた材料を提供するビジネスの場合、自社の材料は顧客の製造プロセスの中で顧客製品の性能、歩留まりや品質管理、コスト、規制対策やBCPなどのサプライチェーン対策にインパクトします。自社製品のデリバリーは顧客の製造計画に直結しており、材料が採用されている顧客の製品(製造ライン)が生きている限りは続くため、納入仕様に基づいた製品提供責任が生じます。顧客はその顧客に向けたビジネスの中で製品のブラッシュアップをする必要があるため、製造に使う材料も求められるspecificationに合わせて改善が求められるケースがあり、供給元はCIP (Countinuous Improvement Program/Plan)を提案、実施することとなります。この時、KAMは自社内の品質保証チームや応用開発チーム、原料検討も絡む場合はSourcingの調達担当者など巻き込んで「なぜ、これをやらなくてはいけないのか」を納得させながら顧客要求の達成を目指します。これにより、顧客企業での新たな製造ライン増設や新規製品ローンチの際に自社製品の転用が決まってビジネス規模が大きくなるか、他者品へ置き換えが発生してビジネス規模が小さくなることもあります。また自社材料に(たとえ改善が目的だとしても)変更が生じる場合は、その申請と承認が顧客の社内プロセスが必要になります。これらは4M変更申請といわれます(Man, Machine, Material, Methodの変更を指します)。この変更申請は書類上の申請で済むこともあれば、変更後の製品が従来品と同様の性能、規格を満たして運用されるか中期的な評価を必要とする場合があり、その際にプロジェクト的に社内外で担当者を巻き込む必要があります。

応用開発など今手元にはないソリューションの創出による価値提案:Key Accountに選定される顧客は、多くの場合でその業界のトップランナーであったりユニークな特性を持っている企業です。このような企業は業界における(テクニカルな)ロードマップを作っていることもあるため、Key Accountからの新規開発案件などは後に他社へ展開できる重要な案件であることが多いです。このような応用開発案件は、前述の改善案件と近いものもありますが、ある要求に対して全く異なる技術が要求されることもあるため、製品側の開発担当だけではなくより広い範囲のメンバーを巻き込んで案件進捗を管理する必要があります(新規案件のためにピボットしたサービスを設計すべきか)。これは既製品の売切りスタイルとは大きく異なるため、要件定義を進めながら必要な物事を整理してプロジェクトを進める能力が求められることを意味します(別途にProject Managerが配置されることもあります)。既存の重要顧客については、すでに自社ソリューションが採用されていることもあるため、これらとの連携や統合などを考えながらテーラーメードな製品・サービスの利用通じて、価値共創プロセスを促進させることを目指します。つまり、顧客内の自社含めた製品ポートフォリオとその利用インパクト、意思決定に関与するメンバーを把握しながら各所の理解と納得を得る必要があります。

自社C-levelやVP等のビジネス意思決定に関与するメンバーの取り込みとネットワーキング:これまでの通り、Key Accountへの活動は企業の意思決定にインパクトするレベルにあることが多いです(この点に関してはSMBターゲットでも程度の差はあれど一緒かもしれません)。そのため、会社対会社の関係性を強化してパートナーシップを確立することが絶対的な使命となります。これは顧客側も同じで、自社ビジネスに大きくインパクトがある製品やサービスをもって業務を変革するためには営業担当者レベルの接点だけでは社内説得や購買プロセスを進める(特に土台に乗る段階、、、?)のに足りません。High-levelでの(できれば定例の)Business review meetingに期待されることは、現在提案している案件を進めるコミットメントをいただく事、将来的な展望の一次情報の交換、人間的なつながりの強化など多くあります。Key Accountは大企業(エンタープライズ顧客)であることが多いため、Bottom-upでの案件進捗では買い手も売り手も案件がスタックしてしまう可能性も高いため、両者のためにもTop-downの要素をもっておけることで日々の担当者同士のコミュニケーションが円滑になります。

セールスパイプラインを基にしたKAMの社内外コミュニケーション

KAMに求められる能力

KAMは、会社対会社での関係構築や重要度の高い案件を社内外のリソースを巻き込みながら進めるためにどのような能力が必要になるでしょうか。これは、Vol. 0~Vol.2までに説明してきた価値共創の営業を実践するために必要な能力とほとんど変わらないと考えられます。導入部分で引用した以下のKey Account Managementに関する説明を基に、具体的に説明していきたいと思います。

KAM incorporated relationship marketing strategies and relationship marketing incorporated strategies associated with KAMs.Kumar, P., Sharma, A., & Salo, J. (2019). A bibliometric analysis of extended key account management literature. Industrial Marketing Management, 82, 276-292. doi:10.1016/j.indmarman.2019.01.006

 

担当顧客と深いレベルで関係構築を行うために重要なポイント

顧客志向であること(過去ブログへのリンクあり)

顧客のビジネスや業界を理解すること

クリティカルなコミュニケーションにより成功を目指すこと

価値創造・共創のために組織が内部組織構造を調整したりインテリジェンスを効果的に活用するために重要なポイント

社内ネットワーキング、社内営業ができること

価値共創を達成するためのリーダーシップを発揮すること

高い次元でビジネスを理解すること(過去ブログへのリンクあり、他の職務や高いレイヤーの意思決定の原理原則を知ること)

顧客産業における新しいビジネスモデルやビジネス戦略へ適応するために重要なポイント

顧客のビジネスや業界のトレンドやロードマップに興味を示し、理解すること

担当顧客のビジネスプロセスや価値ドライバーを理解すること

顧客の要求に適応する提案を社内リソースを活用して作成、デリバリーすること

KAMに求められる能力

この様に、KAMに求められる能力の多くがValue-based Sellingを実践するうえで必要なポイントであることがわかります。また、価値共創のために必要な顧客との送付後作用を促す(長期的な)関係性によるパートナーシップにも重要なポイントが見られます。つまり、価値共創の営業を実践するにはKAMの役割を取り込むことが有効ではないかと考えることができます。実際に、KAMを務める営業担当者は担当顧客やその顧客の業界に対する高度な知識と理解が求められます。これはnote vol. 2で触れた顧客価値の認識、定量化や価値提案のための役割を担うValue championに対する期待と重なる部分があるため、営業組織はKAMを配置することで価値共創に必要なリソースをかけやすくなるのではないでしょうか。

また、KAMの経験はB2B営業パーソン個人のキャリア形成にも重要な経験値となることが期待できます。現代の多くのB2Bビジネスでは営業プロセスに応じた分業制の役割配置を取っており、かつ営業パーソンは主にインサイドセールスやフィールドセールスといったビジネス契約を取るまでの仕事に携わることが多くなっています。ルートセールスの様な担当営業の場合でも、担当顧客を多く持つことで一つの案件や顧客へかけられるリソースは制限されることがほとんどです。KAMの役割を通してValue-based Sellingによる顧客価値創造を経験することは、営業パーソンとしての成長意欲と業界を超えた市場価値を高める大きなメリットになります。

 価値共創の営業に向けたKAM roleの検討

これまで見てきた通り、KAMを活用した営業マネジメントは営業組織が価値共創の営業を体現するのに適しているものと考えられます。それでは、現在Key Account Managementを取り込んでいない営業組織が実施する、あるいは優秀な営業担当者にKAMを任せるうえではどのような事に気を付けるべきでしょうか。

まず注意すべき点はKey Account Managementは企業や組織の戦略に密接であることです。つまり、営業チームが独断で重要顧客をまとめてKAMを配置しても効果的ではない可能性があります。これは、KAMが社内横断的なリソースを顧客価値提案と共創のために必要としながらも、Key Accountへのリソース提供はより高位の組織レベルでのコミットメントが重要だからです。すなわち、Key Accountへの注力は営業戦略ではなく、(少なくとも)マーケティング戦略であり、企業戦略であることを忘れないようにしないといけません。特にマーケティング組織との協業について、Account-based Marketing/ManagementはKAMにとって重要な日々の活動の羅針盤となりますので、組織間のコンフリクトなど生まれないような相互理解とコミットメントを得るようにします。ここに齟齬があると、KAMは過剰な役割ストレスと社内での孤立によって疲弊してしまい、最悪の場合は優秀な営業パーソンの離職を引き起こします。

次に、KAMには非常に多くの能力と素養を求められるという事です。過去にKAMを経験したことが無い営業パーソンにとって、KAMで求められるアクションは自分の仕事ではないと感じるものが含まれるかもしれません。例えば、分業制の営業パーソンにとってはセールスパイプラインを契約締結後まで含めて管理する経験はなかったかもしれませんし、製品やサービス導入後の価値実現プロセスを主導する機会や自社が提供する製品やサービスに関する問題、クレームなど火消し作業の様な品質管理プロセスに対応する機会もないかもしれません。これらの事象を円滑に(そしてresult-orientedに)進めるためにも、これまでとは違う組織市民行動的な振る舞い(こちらのnote参照)が求められることも多くなります。営業パーソン個人にとって非常に大きな変化となりますので受け入れられるかどうかです。営業パーソンがKAMとして成功するためにはいくつかの重要なポイントがあります(割と実体験からの意見です)。

KAMの役割と期待を営業組織だけではなく関連する部署、企業レベルで認識してサポートする

KAMが達成すべく目標を明確に示し、それに向けた行動と個人の成長に伴走する

KAMの担当市場や顧客数を適切に保ち、ワークロード管理に注意する

KAMへの適正コンピテンシーと営業パーソン本人のキャリア志向のマッチングを考える

KAMは誰にでも任せられる役割ではないと考えており、この点もValue-based Selling(VBS)と似通っています。つまり、KAMはハイレベルな営業コンピテンシーを求められる営業roleです。組織としてはVBSの導入に際して、その価値検証を狙ってKAMを配置し、自社が目指す営業パーソンのロールモデルを作り上げることができるかと考えます。さらに、KAMは社内外のあらゆる境界を越境したネットワークを構築することから、将来的な営業マネジメントを志向する営業パーソンのキャリア構築を助ける経験値になることが期待されます。このような営業パーソンが営業組織をマネジメントすることで、企業は顧客価値にフォーカスした戦略と戦術の理解度が高い営業組織を築くことが可能になります。

余談ですが、わたしが以前の会社でGlobal Strategic Account team立ち上げ時にメンバーとして加わった時、組織は我々SAM (Strategic Account Manager) に当時導入し始めた(けど、なかなか浸透できていなかった)Salesforceの活用やアカウントプランニングのお作法を叩き込み、自社営業パーソンのモデルケースを作ろうとしていました。営業組織が新しい試みをアジャイルするにも、このような組織体制を組んでリソースかける事は良いかも知れません。

 

価値共創の営業のまとめ

本noteを含む合計5本のnoteによって、価値共創の営業についての私の想いをまとめました。営業活動のデジタル化やセールステックに多くのソリューションが登場して、営業パーソンの役割は細分化され、部分最適化されているように感じます。これ自体は悪いことではありませんし、組織として最高で最強のアウトプットを目指すために企業のフェーズやプロダクトの種類、顧客産業ターゲットによって取るべき戦術は異なります。しかし、B2B営業として重要なことは「顧客のビジネスの成功」であり、そのための顧客価値を「共創」するための提案をすることにあります。このような観点で、B2Bビジネスで実現したい顧客価値と価値共創(note vol. 0)、B2Bビジネスにおける買い手と売り手の関係性(note vol. 1)、価値共創を実現するセールス理論としてのVBS(note vol. 2)、これらを達成する企業の営業マネジメント手法としてのKey Account Management(本note)でそれぞれ詳細に触れました。多くの部分は研究論文を参照しており、実際のビジネスへの橋渡しは私個人の経験に頼る部分があります。そのため、今後はこのnoteの内容を中心にして実際のビジネス現場で活かすためにできることを探していきたいと思います。手始めに価値共創の営業をスライドにまとめて説明資料といたします。そして、可能であれば多くの方々に実務上での適用に向けてご意見交換させていただくため、セミナーや勉強会を企画できればと思います。

また、理論面での強化を目指して価値共創の営業を研究対象としてDBA(経営博士号)を目指したいと思います。これは、今回取り上げた研究背景を深堀するのみならず、組織の変革に必要な能力としてのダイナミックケイパビリティや、組織と営業パーソンのパフォーマンスを最大化するための仕事の要求と資源の関係性(Job Demands-Resources theory)など取り込みたい観点がまだまだあるためです。今回の価値共創の営業noteシリーズは私にとってこの研究の出発地点として位置付けたいと思います。(まだまだ続く)

価値共創の営業note体系図

参考文献

Chris J. Noonan (1998), 21. Key Account Management. Sales Management, 370-401. ISBN: 978-0-7506-3361-1

Kumar, P., Sharma, A., & Salo, J. (2019). A bibliometric analysis of extended key account management literature. Industrial Marketing Management, 82, 276-292. doi:10.1016/j.indmarman.2019.01.006



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